去る9月5日(月)~7日(水)まで,数理社会学会(JAMS)52回大会と日本ソフトウェア科学会・ネットワークが創発する知能研究会(JWEIN11)との合同大会が信州大学で行われ,私が大会委員長を務めさせていただきました.
何とか無事に終了することができ,ほっと胸をなで下ろしたところです.JAMSの大会を引き受けたのは2度目で,前回は前任校のときでした.それからちょうど5年.理事の任期を終えたところで即座にお鉢が再び回ってきました.
JAMSでは,2回以上大会委員長を引き受けられた会員の方もおられますが,私自身はJAMSとASAのMath socセクションとの合同会議2度の運営にも関わっていますし,とりあえず,小規模学会大会の運営という観点から,あれこれと振り返って,文章を残しておくことは何か参考になることもあるかもしれないと思い,ちょっと書くことにしました.
数理社会学会は,会員数が300人程度の小規模学会です.学会の財務状況については書きませんが,基本的に各大会の運営は別会計で,学会本体とは基本的に切り離されています.もし決算で赤字が出てしまったら,5万円を上限に学会から補填が受けられることにはなっています.しかし,大会参加費はほぼ固定で,懇親会費はそれなりに幅がとれるといった感じです.大会参加費がほぼ固定なので,最低限のことをしっかりやるという感じの運営になります.
大会への参加者数は,およそ70名~90名くらいです.私が前回引き受けたのは,学会25周年記念大会@東大の次の回,今回は,諸人こぞりて馳せ参じた沖縄大会の次の回ということで,当初の見積もりは少なめにしておくのが適当と思われました.ただ,今回は,JWEINとの合同大会ということで,相乗効果が若干見込めるのではないかという感じもあり,非常に読みにくかったです.実際失敗したと言わざるをえません.まあ,色をつけずに,これまでの最低線と思っているのが安全だったようです.
JAMSの場合,大会委員長に求められていることは,大会会場の確保,報告要旨集の印刷,当日の受付や会場係などのアルバイトの統制,懇親会の会場の確保とメニューの決定です.(必要な場合は,弁当の手配もあります.)
前任校で引き受けたときには,これらの仕事に対して,院生を一人ずつ割り当てました.これだと,適宜指示を出すだけで,こちらはおおかた左うちわでしたが,さすがに,今回は院生なしの状態で,全てを一手に引き受けるのはたいへんでした.それでも,学部生から一人事前準備と当日の統括をしてくれる学生を募り,懇親会のメニューと弁当のメニューの決定を任せました.こちらからは,どちらについても,「信州らしいもの,脂っこくないもの」の2つを徹底するということでした.結果的に,多くの方に地のものを楽しんでいただけ,味もまずまずということで喜んでもらえたと思います.細かいことで言えば,大会前々日くらいに,大学の門の向かいのコンビニの店長に,学会期間を知らせてちょっとだけ人がふえるかもしれないよと伝えました.当日午後に聞いてみると,少しだけ高めの弁当を仕入れたとのことで,実際そういうものが売れたとのことでした.
大会会場の確保については,近年,多くの大学で会場の貸出にお金を取るところが増えています.実際,今回もそのケースでした.実は,今回借りた教室は,経済学部の所有の教室があり,そこでは,場代を支払うことになりました.また,支払は事前の支払だったので,その分は一時立て替えることになりました.
報告要旨集の印刷については,今回は,やや特殊な状況がありました.それは,JWEINは,ネットワーク関係の研究会なので,カラーの図があった方がよいということでした.そこで,当初,報告要旨集のカラー刷りを検討しましたが,モノクロ印刷と比べてカラー印刷は相当に割高になることから,それは諦めました.次善の策として,要旨集はモノクロ印刷とし,さらに,CD-ROMで同じ要旨集を配布することにしました.実際,この方がずっと安くなることがわかりましたので,そのような方法を採りました.CD-ROMの中身は,報告要旨集の内容を1つにまとめたPDF(コピペができないようにパスワード保護したもの)を業者に頼んで大量に焼いてもらいました.
報告要旨集について言えば,今回から,報告要旨集の原稿をプログラム順にまとめる作業を,研究理事にお任せすることができるようになり,それはたいへん助かりました.ページ番号を入れる作業はJWEINの方でやってもらいました.したがって,大会委員長としては,それを印刷とCD-ROM焼き付けに出すだけとなり,楽になりました.これは,大会を引き受けやすくする,よい方策であったと思います.
さらに,報告要旨集の印刷は,学生の準備を手伝ってくれる学生に安いところをウェブで探ってもらいました.そのとき,形式としては,中身は上質紙でモノクロ印刷,表紙・裏表紙は「レザック」という紙を指定,サイズはA4,綴じ方は無線綴じ(くるみ製本),必要部数とページ数がいくらということを指示しました.20件ほど見積もりを取ってくれ,その中で信頼が置けそうで安いところを見つけました.実際,見本を送ってくれて,質的にも十分であると判断し,そこに発注をかけました.ウェブ上での取引でしたが,満足のゆく結果だったと思います.
CD-ROMの焼き付けについては,私の方でウェブサイトを検索して数件,安くてよさそうなところを見つけました.実際には,タイトルの印字の時に,向こうにはデザイナーがいないことがまるばれで,ちょっと手間がかかりましたが,まあまあふつうな感じのものができました.悔やまれるとすれば,ファイル名をもうちょっとちゃんとしておけばよかったかなということでしょうか.まあ,しゃーない.
当日の学生アルバイトについては,大会の1ヶ月くらい前に研究室のMLで募集しました.なので,学生はみんな社会学の学生でした.もし足りなければ社会心理学研究室にお願いしようかと思っていましたが,何とか人数は揃いました.
募集以前には,研究理事から平行セッションが2つになることを確認し,受付・会場・休憩室・案内の担当に必要な人数をあげて人員配置表を作りました.そして,それをもとに必要数だけアルバイトを募集しました.なので,かなりかつかつの状態で,当日来ない人が出てきたら,即アウトという状態でした.まあ,無事で何よりだったと言うほかありません.裕福な学会だと,支度金がふんだんにあったりするので,アルバイトを特定の場所に貼り付けたり,ある程度余裕を持って遊ばせておける人員配置ができるのだと思いますが,小規模学会ゆえの難しさを感じました.
アルバイトが当日きちんと動いてくれるかどうかは,心配でした.何せ,院生がいないので,学会とはどういうものかを知っている人がいないということです.なので,6ページにもわたる「アルバイトの手引き」を丸一日がかりで書いて,それをMLに流し,事前に必ず読んでくるようにと言いました.それでも,書き落としているところや,指示がきちんと伝わらないところがありました.まあ,それでも,JAMS初日の朝の受付あたりで多少の混乱があったものの,まあ,まずまずの感じで仕事を進めてくれました.なお,手引きを書くに当たっては,どの人がどこに配置され,どういうふうに移動していくのかを考えながら,そのときどきでどんなふうに動けばよいのかを想像し,各人が流れを感じながらやっていけるように心がけました.たとえば,弁当がいつ頃届けられるので,支払をどうするとか,ポスター用のパネルがいつ届くので,いつ設置するとか.なので,内容としては,受付・会場・休憩室・案内の仕事の説明と,時間の流れに沿った移動の仕方の2部構成となりました.結果的に,これで学生たちは,私がいなくてもてきぱき動いてくれたので,一日がかりで手引きを書いてよかったと思いました.
今回は,松本市観光コンベンションセンターにたいへんお世話になりました.松本駅に掲げられていた学会大会の横断幕に気づかれた方も多かったでしょう.あれはコンベンションセンターに作っていただいたものでした.他にも,弁当の業者の紹介をしてもらったり,(結局使わなかったけど)懇親会の場所やケイタリングの候補をあげてもらったりしました.また,100人以上の集客が見込めるので,その人数に応じた資金的な援助(赤字になったときの補填)もいただきました.
コンベンションセンターの存在に気づいたのは,駅に横断幕が時折かかるので,そのもとをたどっていったらそこであったというわけです.すでに動き出していた応用心理学会の準備をしていた同僚のH先生もコンベンションセンターにコンタクトをされていたので,情報をいただきながら進めていきました.各地にコンベンションセンターないし類する団体はあると思います.学会開催を引き受けられた方は,一度学会開催に際してコンベンションセンターにコンタクトを取ってみられてはいかがでしょうか.
この文章を書き始めてはや10日ほど.まだまだ書きたいことはありますが,思いついたら追記していきます.ひとまずここで公開したいと思います.少しでもJAMSや小規模学会開催のお役に立てればと思います.
